昔の R/3 や SAP ERP で使用していたトランザクションコード(T-CODE)は、SAP S/4HANAへのバージョンアップによって、変更・廃止となったものが少なくない。
たとえば、「XK01(仕入先マスタ登録)」は、S/4HANAでは廃止され、起動すると「BP(ビジネスパートナー)」にリダイレクトされる。
もちろん、「MM01(品目マスタ登録)」のような、不変のトランザクションコードも存在する。
トランザクションコードが変更、または廃止されたかを知るには、どのように調べるか?
トランザクションコードがバッチインプットできるか・できないかをまとめた記事はこちら↓
トランザクションコードの新旧の調べ方
トランザクションコードの歴史が記録されているテーブル
テーブル PRGN_CORR2 は、SAPシステムのリリースバージョンによるT-CODEの新旧を比較できるテーブルである。
このテーブルのフィールド(列)は、「リリース」「旧T-CODE」「新T-CODE」のシンプルな構造。
T-CODE:SE16Nを実行し、「旧トランザクションコード」に、調査したいT-CODEを指定して検索する。
たとえば、次図のように、「MB1A」を指定して検索すると、リリース7.51から「MIGO」に変更されていることがわかる。
つまり、MB1Aは、S/4HANAから MIGO に変更されていることがわかるのだ。
SAP for Meで調べる
SAP for Me で ナレッジを検索する。
※SAP for Me にサインインするには、SAP Universal ID (SユーザID)が必要
検索ボックスに、目的のT-CODEを入力して検索すると、そのT-CODEに関する様々な情報が表示される。
たとえば、T-CODE:VA01のバッチインプットに関する情報を得たいなら、
“VA01 batchinput“
と入力して検索する。
すると、目的のトランザクションの、バッチインプットに関する情報の一覧が表示される。
一覧を見れば、T-CODEに対するバッチインプットのサポート(対応状況)や、バッチインプット実行時の制限事項などを知ることができる。
なお、「フィルタ基準」の「リソース」は、上図のように「SAP Note」にチェックするのがおすすめ。
SAP Note はSAP社が公式に出しているナレッジなので、最も信頼できる情報だからだ。
生成AIを利用する
T-CODEをネットで検索するのもよいが、ChatGPT や Google Gemini など、生成AIを使った方が断然、効率的だ。
当ブログでは、複数のT-CODEを一度に調査できる、生成AI用のプロンプトを公開している。そちらを利用すれば、旧T-CODEに対する新T-CODEだけでなく、変更・削除された理由、さらに、代替する汎用モジュール(BAPI)も一度に表示できる。
ただし、生成AIは嘘をつくことがあるので、生成AIで得た結果を、ネットで検索するなどして裏取りするのがよい。
まとめ:トランザクションコードの新旧の調べ方
- T-CODEの新旧を比較できるテーブル PRGN_CORR2 で検索する
- SAP for Meで調べる
- 生成AIを利用する(推奨)
旧 R/3 や SAP ERPから、S/4HANAへコンバージョンすると、変更・廃止されたトランザクションコードは少なくない。
今まで使っていた機能が、急に変わったり、消滅したりすれば、利用者にとっては一大事だ。
SAPシステムのコンバージョンで戸惑わないためにも、トランザクションコードの新旧をチェックできる方法を把握しておこう。
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