SAP Joule徹底解説①|SAPのAI戦略とは?何ができる?

SAP-Joule徹底解説Part1

近年、ChatGPTのような生成AIが注目される中、企業システムにもAIアシスタントを組み込み、業務効率や意思決定を支援する動きが加速している。SAPもこの流れに乗り、2024年のSAP Sapphireで独自の生成AI「SAP Joule(ジュール)」を発表した。

JouleはSAP製品全体に組み込まれる対話型AIで、ユーザが自然言語で問いかけるだけで、業務の支援を行ってくれる。SAPのクラインCEOも「当社のAIはサプライチェーンの混乱対応や業務効率化に貢献している」と語っており、Jouleはまさにその中核だ。他社でもAIツールの導入が進む中、基幹システムをリードするSAPのJouleへの取り組みは非常に注目されている。

本記事では、SAP社のAI戦略、Jouleの基本情報、何ができるのか、普及の状況、S/4HANAとの連携 について、わかりやすく具体的に整理していく。生成AIと基幹系システムの連携活用を検討しているSAPユーザにとって、有用な情報を多く含んでいるので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

なお、ChatGPTなど他社生成AIとの違いJouleの利用環境、ライセンス・料金体系、開発環境 については、次の記事で取り上げるので、あわせてチェックしていただきたい。

目次

SAP社のAI戦略

SAPは「SAP Business AI」というビジョンのもと、AIを全社機能に深く組み込み、業務プロセス全体をインテリジェントに最適化する戦略を進めている。財務・サプライチェーン・営業・人事などの業務領域にAIを埋め込み、50年にわたる業務知識と豊富なデータを活かすことで、現場の課題解決を支援することが狙いだ。

SAP社のAI戦略の特徴は主に5つある。

1. スイート全体への組み込み

スイートファースト」原則を掲げ、AIを個別機能ごとではなく統合されたスイート全体に組み込む方針である(How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。これにより、一つのAI強化が複数の業務領域に付加価値をもたらす。

2. 豊富なユースケース

2024年には生成AIを含むSAP Business AIの適用例を400種類のユースケースまで増やす目標を掲げており (SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)、実際に2025年までに数百に及ぶAI機能がクラウド製品群に実装されてきている。

3. 業務特化型AIモデル

汎用的な大規模言語モデル(LLM)をそのまま使うのではなく、業務データや業務知識に特化したAIモデルを重視。これは社内外の豊富なビジネスデータに基づき、ビジネス文脈を理解した高精度な予測や回答を実現するためである。

4. 信頼性と倫理性の重視

Trusted AI フレームワーク」に基づき、安全で倫理的なAI提供を重視している。

5. オープンなエコシステム

Google Cloudとの提携やA2Aの策定に参加するなど、異なるプラットフォーム間でAIエージェント同士を安全に連携できる未来像を描いている。また、SAP BTP(Business Technology Platform)上に「ジェネレーティブAIハブ」を設け、Google Geminiなど様々なAIモデルを選択利用できる柔軟性を確保している。

  • Agent-to-Agent:AIエージェントが協調動作できる標準プロトコル。

SAPのAI戦略は「業務に根ざしたAI」の実現がキーワード。チャットボットの域を超え、プロセス全体を支援するAIを目指しており、まさにその結晶が「SAP Joule」である。

SAP Jouleとは?

SAP Joule(ジュール)は、SAPが開発した対話型の生成AIコパイロットであり、ユーザの自然言語による質問に対して、SAPのさまざまなアプリケーションを横断して回答やアクションを提供してくれるデジタルアシスタントである(How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。

単なる独立製品ではなく、SAPのクラウドERPや業務アプリ全体に統合される共通のAIインターフェースとして機能するのが大きな特徴だ。

以下では、Jouleの主な特徴、できること、具体的な利用例など、Jouleを活用するうえで知っておきたいポイントを紹介していく。

SAP Jouleの特徴

Joule最大の特徴は、SAPのスイート全体にわたって統一されたAIエクスペリエンスを提供する点にある (How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。

従来は業務ごとにAIがバラバラに存在していたが、Jouleは対話UIを通じて、財務・サプライチェーン・人事・営業などの業務に一貫して対応できる。ユーザが自然言語で質問すれば、各業務領域に対応したスキルが裏で連携し、シームレスに回答や処理を行う。

この高度な連携を支えるのが、SAPの「Business Data Cloud」と「Knowledge Graph」である。Jouleは信頼できる業務データに基づき、データ同士の関係や業務の文脈を理解し、企業固有の状況に即した、根拠のある回答を返す (How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。

Jouleには、SAPが用意した1,300以上の業務スキル(定型タスクやQ&Aのテンプレート)があらかじめ搭載されている(How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。たとえば、経理の勘定分析、人事の給与説明、IT開発でのコード生成まで幅広く対応しており、ユーザはコマンドを覚えなくても自然文で質問するだけで必要な機能にアクセスできる。

この設計思想の根底には「部門横断でビジネス課題を解決するAI」という明確な狙いがある。SAP社はこれを他社にない強みと位置づけている(How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。

さらに、Jouleは多言語対応も進んでおり、英語や日本語を含む11言語をサポート。各国のユーザはJouleと母国語で対話できる。また、回答はリアルタイムでストリーミング表示され、長文でも途中経過を見ながらやり取りできるなど、ストレスのない対話体験を実現している(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。

何に使えるのか・何ができるのか

SAP Jouleは、部門や職種を問わず、業務効率化や意思決定支援に役立つAIアシスタントである。主な活用例は以下のとおり。

情報検索・質問応答

Jouleに対して業務データに関する質問を投げかけると、システムからデータを横断検索し統合的な答えを返してくれる。例として、人事部門の従業員は「自分の給与明細を説明して」とJouleに尋ねることで、控除や控除後の手取りなど給与明細の内容を自動で要約・説明してもらえる(SAP SuccessFactors 1H 2025 Release: New AI-Enabled Innovation | SAP News Center)。このように、ユーザが欲しい情報を自然言語で聞くだけで即座に取得・可視化できる。

たとえば下図は、従業員がJouleに「自分の給与を説明して」と依頼した際の回答画面である(SAP SuccessFactors 1H 2025 Release: New AI-Enabled Innovation | SAP News Center)。

SAP SuccessFactors モバイル向けの Jouleの画面

Jouleが給与明細書の内容(総支給額、控除内訳、手取額、会社拠出額など)を箇条書きで分かりやすく解説している様子が示されている。

このようにJouleは企業のシステム内に蓄積されたデータを理解し、ユーザの質問に対してポイントを押さえた要約や説明を提供する。

タスク自動化・入力補助

たとえば経費精算システム(SAP Concur)では、社員がJouleに経費報告書作成を依頼すると、領収書データ等を参照しつつ提出可能な状態の報告書を自動生成してくれる(2025年第2四半期に一般提供予定|SAP Concur Fusion 2025: Joule in SAP Concur Solutions | SAP News Center)。また出張手配では、出張の目的地や日程の希望を伝えると、Jouleが候補となる出張先や概算の旅費を提案してくれる(こちらは2025年内の提供予定|SAP Concur Fusion 2025: Joule in SAP Concur Solutions | SAP News Center)。

これらは従業員の事務作業の手間を大幅に削減し、本来の業務に集中できるようになる。

分析・レポート生成

「今期の売上は計画と比べてどうか?」という質問にも即応。財務システムや計画データを横断参照し、売上高の実績・予算差異を要約したインサイトカード(カード形式の指標サマリー)を瞬時に生成し提示する(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。さらにそのカードをダッシュボードに追加したり共有したりすることも簡単に行える。Jouleは定型レポートの作成やデータ集計作業を自動化し、ユーザは分析結果の解釈や意思決定に専念できる。

ナレッジ検索

SAPシステムの導入・運用に関わるコンサルタントにとっても、Jouleは強力なアシスタントとなりうる。

たとえばSAPパートナー企業のKPMGは「SAP Joule for Consultants」という形でJouleを早期導入し、コンサルタントがSAPの膨大な製品知識ベースから即座に回答やベストプラクティスを引き出せるよう活用している。これにより、従来はマニュアルや社内ナレッジを探すのに費やしていた時間を1日あたり1.5時間も削減できたとの報告もある(KPMG and SAP Joule for Consultants | SAP News Center)。

JouleはSAPの公式ドキュメントや蓄積知見を裏打ちされた専門家レベルの回答を瞬時に提供できるため、ユーザ企業のみならずSAPパートナーの生産性向上にも貢献している。

アプリ開発支援

Jouleの能力はエンドユーザ向け対話だけでなく、開発者向けにも発揮されている。SAPの開発プラットフォーム(SAP BTP)上では、Jouleがコーディングや設定作業のアシスタントとして組み込まれている。

たとえば開発者が「商品受注と在庫を管理するデータモデルを作成して」とJouleに指示すると、Java/JavaScriptやABAPのフレームワークに沿ったエンティティ定義コードやサンプルデータを自動生成してくれる(Joule for Developers: AI-Powered Capabilities | SAP News Center)。また、既存コードのリファクタリング提案や、難解なプログラムの説明文章を生成することも可能である。

これらにより開発者は定型コーディング作業から解放され、より創造的な業務に集中できる。

SAP Build Code の Joule 機能は、データモデルの生成に役立つ

上図(Joule for Developers: AI-Powered Capabilities | SAP News Center)は、SAPの開発環境「SAP Build Code」の画面に組み込まれたJouleが、開発者の自然言語指示に応じてデータモデル定義コードを自動生成している例である。


以上のように、SAP Jouleは対話型BIツールからRPA的な自動処理データ分析ナレッジ検索コーディング支援まで、幅広い用途に対応するオールラウンドな企業向けAIアシスタントである。

Jouleの普及状況と利用事例

2024年の発表以来、SAP Jouleは段階的にSAPのクラウドソリューション各所へ組み込まれ始めている。

まずSAP S/4HANA Cloud(クラウドERP)では2024年後半からJouleが統合され始め、2025年Q1時点でパブリックエディションへの完全統合が実現している(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。これによりS/4HANA Cloud利用企業のユーザは、ERP画面上から直接Jouleに問い合わせたり操作を依頼したりできるようになった。

また、人事クラウド(SAP SuccessFactors)でも2025年前半リリースでJouleがモバイルアプリに搭載され、従業員・マネージャーが人事関連タスクをセルフサービスで処理できるようになった (SAP SuccessFactors 1H 2025 Release: New AI-Enabled Innovation | SAP News Center)。

経費・出張管理クラウド(SAP Concur)にも2025年内にJouleが搭載予定で、すでに早期プログラムで一部顧客に提供が始まっている (SAP Concur Fusion 2025: Joule in SAP Concur Solutions | SAP News Center)。

KPMGの事例

具体的な利用事例としては、前述のKPMGにおけるコンサルタント支援が挙げられる。KPMGは「SAP Joule for Consultants」と称し、自社のSAP導入プロジェクトにJouleを組み込んでいる(KPMG and SAP Joule for Consultants | SAP News Center)。

コンサルタントはJouleを通じてSAPから提供される最新の知識・ベストプラクティスにアクセスし、クライアントへの提案やシステム設定を迅速に行っている。その結果、コード調査の時間を40%短縮するなど作業効率が向上し、プロジェクトのスピードと品質が高まったという。

KPMG以外にも複数のパートナー企業や大手顧客がJouleの早期利用に参加しており、「アイデアから実運用まで1年足らずで辿り着いた画期的な成果だ」とSAP SEのCTO兼最高AI責任者であるフィリップ・ヘルツィヒ博士も述べている。

一般ユーザ企業における普及状況

一般ユーザ企業での普及については、2025年現在は主にSAPのクラウド製品利用企業が中心である。

RISE with SAP を通じてS/4HANA Cloud を導入している顧客は、追加設定によりJouleの機能を順次利用可能となっている。一方、オンプレミス版のSAP S/4HANAについても限定的ながらJouleが利用可能になりつつある。たとえば、仕訳伝票のAI自動作成など一部機能が提供開始された(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。

今後はSAPの他クラウド製品(調達のAribaなど)にもJouleが拡大していく計画であり、SAP利用企業全体でJouleが当たり前に使われる世界が視野に入っている。

もっとも、現時点では各社でトライアル的に導入が進んでいる段階であり、その価値を見極めながら本格展開を検討しているケースも多い。特にデータセキュリティや出力結果の精度に慎重な企業ではPoC(概念実証)を行い、Jouleがもたらす効果とリスクを評価している状況である。

SAP S/4HANAとJouleの関係

SAPの主力ERP「SAP S/4HANA」(特にクラウド版)は、Jouleと最も深く統合されている領域のひとつである。両者の連携により、ERPユーザは対話形式で業務を進められるようになる。

S/4HANAへの統合と機能強化

SAP S/4HANA Cloud Public Editionでは、2024年以降のアップデートでJouleが標準組み込みとなり、UI上にJouleのアイコンやチャットウィンドウが表示されるようになっている。

ユーザは従来のFiori画面を操作するだけでなく、必要に応じてその場でJouleに話しかけることができる。たとえば、在庫管理担当者がS/4HANAの在庫一覧画面を見ながら「次の3ヶ月で在庫不足が予想される品目は?」とJouleに尋ねれば、その場で需要予測や現在庫水準を参照したリストを生成してくれるイメージだ。

JouleはS/4HANA内の画面遷移や検索も代理で実行できる。上記のような質問を受けた際、Jouleは裏で必要なモジュール(需要予測機能や品目マスタ)にアクセスし、結果をまとめて返してくれる。その際、ユーザが別々のアプリケーションを開いて結果を付き合わせる必要はない。JouleがERP内のナビゲーション役を担い、複数ステップの処理を一度の会話で完結させてくれるわけである。

SAPはこの体験を「統合コパイロット」と称しており、ユーザはもはやメニュー階層やトランザクションコードを意識せずに、会話だけでERPを操作できるようになる。

2025年Q1時点の発表によれば、S/4HANA Cloud Public EditionではJouleの統合によりユーザのトランザクション処理が平均90%高速化したとのデータもある(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。必要なレポートをGUIで開いて項目入力して実行…といった手順を経るより、Jouleに自然言語で「〇〇のレポートを表示して」と頼む方が圧倒的に速いということだ。

一方、SAP S/4HANA Cloud Private Edition については、Public Edition ほど早期にはJoule統合が進んでいないが、一部機能から展開が始まっている。たとえば2025年には、AIによる仕訳伝票の自動作成機能がプライベート向けにも提供開始された(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。これはExcel等で作成した仕訳データをアップロードすると、Jouleが内容をチェックし勘定科目や税コードのミスを自動修正・適用してくれる機能で、最大85%の手作業削減効果があると報告されている。

将来的にはプライベート環境でもJouleの対話UIそのものが利用可能になる見込みだ。現時点ではPublic Edition利用企業の方がJouleのメリットを享受しやすいが、SAPはクラウド移行を進める企業に順次これらAI恩恵を提供していく方針である。

SAP ERPユーザ向け具体的な利用例

ERP領域におけるJouleの具体的な活用シナリオをいくつか示す。

経理財務

財務部門では、四半期決算の分析や予実管理にJouleが力を発揮する。たとえば財務マネージャーが「前四半期の部門別収益性を要約して」と尋ねると、JouleはS/4HANA上の会計データから部門ごとの収益とコストを集計し、主要因をコメント付きでレポートしてくれる。さらには「この結果を取締役会向けにスライド1枚にまとめて」と依頼すれば、Jouleがハイライトを抜粋しPowerPoint形式のアウトプット(グラフ付き)を用意することも可能となるだろう。

購買・サプライチェーン

購買部門では、Jouleはサプライヤ審査や調達プロセスの自動化を支援する。SAPは「AIエージェントが手作業のサプライヤ契約チェックを軽減し、自動で購買発注を生成する」といったビジョンを示している(SAP Business AI: Release Highlights Q1 2025 | SAP News Center)。具体例として、購買担当者が新規調達ニーズをJouleに伝えると、Jouleは登録サプライヤ情報や過去の取引を精査し、条件に合う候補サプライヤをリストアップする。さらに必要なら見積依頼書(RFQ)を自動発行し、回答を比較して最適な発注書を起案することまで可能となる。

カスタマーサービス/CRM

顧客からの問い合わせ対応でもJouleが活用される。たとえばカスタマーサポート担当者は、顧客からのメールやチャット問い合わせ内容をJouleに転送し、「このクレーム対応のためにすべき処理を教えて」と尋ねる。するとJouleは顧客の購入履歴や過去の類似ケースを参照し、「返品処理と返金が必要。このケースは税金関連の問い合わせなので税務チームへ引継ぎ」といった具体的な解決ステップと適切な担当部署を提示してくれる (SAP and Google Cloud Are Advancing Enterprise AI | SAP News Center)。さらにワンクリックでその処理(返品オーダー発行やチケットエスカレーション)を実行することもできる。

人事(HR)

人事領域では、従業員からの問い合わせ対応や人事業務フローの案内にJouleが有用だ。従業員が「有給休暇の残日数を確認したい」とチャットすれば即座に回答し、そのまま休暇申請フォームを自動で立ち上げて必要事項を入力補助してくれる。退職手続きにおいても、対象社員に代わって離職票の発行手配や引継ぎタスクのチェックリストを生成し、人事担当者と退職者双方の手続きをスムーズに進める(SuccessFactorsのオフボーディング支援機能としてJouleが活用|SAP SuccessFactors 1H 2025 Release: New AI-Enabled Innovation | SAP News Center)。


以上の例から分かるように、JouleはSAP ERPをはじめとする基幹業務システムのユーザインターフェースを刷新しつつある。これまでは各専門部門の協働が必要だった業務も、Jouleが調整役を担うことでスピーディーに処理できるようになる。

SAP社も、JouleによるAIエージェントが「サイロ化した部門間の調整」を円滑にし、エンドツーエンドのプロセス効率を飛躍的に高めると述べている(How SAP Uniquely Delivers AI Agents with Joule | SAP News Center)。ERPユーザにとって、Jouleは単なる便利機能に留まらず、業務プロセスそのものを変革しうる存在と言えよう。

まとめ

本記事では、SAP社のAI戦略、Jouleの基本情報、何ができるのか、普及の状況、S/4HANAとの連携の具体例 について解説してきた。

SAP社は「SAP Business AI」というビジョンのもと、AIを全社機能に深く組み込み、業務プロセス全体をインテリジェントに最適化する戦略を進めている。同社が50年間培ってきた豊富な業務知識とデータを活かすことで、財務・サプライチェーン・営業・人事などの基幹業務=S/4HANA と AI=Joule をシームレスに連携することで、現場の課題解決を支援することが狙いだ。

次回は、Jouleを利用するための環境、ライセンス・料金体系、開発環境、ChatGPTやGoogle Geminiなど他社AIとの違いなど、Jouleをさらに深堀りしていく。


参考文献・出典
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